夏スクーリング振り返り

慶應通信

評価も見れるようになったので備忘録的にネットに投げておこうと思う。

仕事の都合で1,2期しか参加できなかったが受けた授業はどれも面白かった。お盆の時期にも登壇してくださった先生方に心の底から感謝。

物理学実験AおよびB

授業初めの三十分くらいで実験やその分野の概説。そのあとはペアを組んで実験に臨み、レポートを作成。先生に合格をもらった人は授業終了。といった感じで、人によって終了時間にかなり差があった。

初日にほげーっとテキストだけ持って授業に臨んだところ、慣れない実験道具と計算式に蹴飛ばされ、「あ、これは予習しなきゃダメなやつだ」と悟るまで、たった三十分。高校で物理を履修していれば簡単かもしれないが、最低でも累乗の計算と基本的な用語の理解はしておくほうが無難かもしれない。先生の口ぶりからして、テキストは軽くでも読んでおいてほしいような雰囲気があった。

とはいえ要領の良い人なら帰宅してから1時間くらい次の実験の概要について調べるくらいでも楽しんで授業に臨めるとは思う。

日替わりで著名な先生方が受け持ってくださるところも素晴らしかった。先生が紹介してくださった著作をつい買ってしまったが、案の定面白すぎてレポート再提出を遅らせる原因となっている。注意。

B→Aの順に履修したが、明らかにBのほうが難しいので都合がつくならAからBの順に受けるほうがスムーズだと思う。Bでコテンパンにされた経験からAで過剰に用意して臨んだこともあり、Aは毎回1時間ほど巻きで終わった。

教授のほかにアシスタントの先生がつくが、どなたも当然ながら物理への深い造詣と愛情を感じさせる熱量をお持ちだった。

先生のうちのお一人は「これはなぜこうなるんですか?」「それはなぜですか?」「この場合はどうですか?」と繰り返し問い、思考とそこからたどり着く理解を重視される方で、それはもう何度も心を折られた。しかし結果的にはその考え方が学習の大きな助けになったので感謝してもしきれない。学び理解することがどういうことなのか考えるきっかけになった。

もし普通課程なら実験スクーリングは絶対に履修したほうが良いと思う。実験、テキスト、テストと三点突破しないと単位が来ないことから地学と統計学とかで実験スクーリングから遠ざかる選択肢もあるが、スクーリングの醍醐味を存分に味わうことができるのでぜひ受けてみてほしい。

評価はS。出席してレポートをしっかり仕上げて提出すれば単位は来ると思う。

論理学

前半と後半で先生が変わる面白い授業だった。どちらもとてもかみ砕いた解説をしてくださったのでわかりやすかった。ほぼ予習なしで臨んだが終わるころにはある程度戦える力が身についたように思う。

大きな教室だったので前列に座ってみたが、後半の先生が前列の方に繰り返し巡回に来ることもあってだんだん周囲から人が消えていった。怖かったが意地になって最後まで席は変えなかった。ただその分ちょっとした疑問点をサッと質問でき、対面授業の良さを存分に味わえた。

評価はS。先生に「良いですね」とか「大丈夫そうですね」とか前向きなお言葉をいただき、勝手になんとなく期待されているような気になって失望させてはならぬと必死で問題を解き進めた。単純なので。その単純な脳みそを再レポの講評欄に向き合うときに動員できればいいのにね。ともあれその甲斐あってか最終日のテストには割と余裕をもって臨むことができた。テストの難易度的にも、授業を完璧に理解している必要はなさそう。

法学(憲法を含む)

指定のテキストの章ごとに授業が構築されており、先生の作成されたパワポと合わせてかみ砕いた非常にわかりやすい授業が展開された。

授業後に任意でリアクションペーパーの提出機会があり、感想や質問を寄せることができる。質問の中で全体に共有してもよい題材だと判断されたものは次の授業の初めに先生から回答を得られる。リアクションペーパーは評価には基本的には含まない方針で、良いコメントは最終日のテストに少し加算する程度とのことだった。

今夏のスクーリングの中でも特に収穫が大きかった教科。自分が漠然と抱いていた法学への興味が輪郭を帯びた。法のあるべき形やその運用について正義や倫理の視点から考える「法哲学」へ関心が大いに刺激された。具体的に授業内容に触れるのはまずいだろうから控えるが、先生が時折混ぜる私見も含めて大変興味深く、法という体系が成立した意義と、これからも学問として保護し発展させられる重要性を認識するに至った。法を学ぶことは、条文を覚えることではなく、「人が人を律するとは何か」を問うことなのだと知った。

特に、先生の専門分野である法制史については初めて触れたが、法の成立過程における様々な議論は法を理解するうえで欠かせないのだと考えさせられた。

授業の質の高さを証明するように、最終日の講義が終わった際には教室から拍手が起きていた。

評価はS。テストは授業中に出てきた語を用いながら法学を広く論ぜよといったもので特別対策のいるものには感じなかった。とはいえ完璧に書けた自信はないため、かなり優しめに採点してくださったように思える。リアクションペーパーも毎時書いて、寄せた質問にもかなり回答をいただけたためその分の加算もあったかもしれない。

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